2011/10/26

外天楼に迷い込んで深みにハマる

外天楼 (KCデラックス)
外天楼 (KCデラックス)
posted with amazlet at 11.10.25
石黒 正数
講談社 (2011-10-21)

「それでも町は廻っている」石黒正数の最新作。
メフィストで連載されていたようなのですが、
全然チェックしてなかったので本屋で見かけてついつい買ってしまった感じ。
700円と、単行本にしては高めなのがちょっと残念ですが傑作です。

物語は、3人の少年が本屋でエロ本を買うために作戦を立てるところから始まる。
本を重ねたり、できるだけ他の客に気付かれないように本を選んだりと、
男子が一度は通ったであろう面白い話だな、という印象です。
ですが、これだけで終わらないのが石黒正数らしさと言いますか…。

2話目、3話目も短編の構成で登場人物は同じくもSFが絡んでミステリーの色は全然ない。
だけど、中盤ぐらいからジワジワと序盤の伏線が効いてくる!
終盤になると、序盤からちょっとずつちょっとずつ積み上げた物語が大きな流れになり、
読んでいるうちに妙な高揚感を覚えます。

一見するとバラバラに配置された物語が
実は一つ一つ意味を持って配置されていたんだと気づいた時、
構成の緻密さに本当に驚かされます。
小説でミステリーを読んだ時の感覚を、そのままマンガに持ってこれた作品を初めて見たと思う。

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